君の心が聞こえる。
本当、君は甘すぎるよ。
それでも遠慮することなくその金髪に手を伸ばすわたしもわたしなんだけど。
「やっぱりサラサラだね」
「そりゃどーも」
相変わらず誰も来ない保健室。
わたしとメグくんだけの空間。
会話がなくても、わたしにはそれが心地よかった。
「センパイも、髪サラサラじゃん」
「えっ?」
「あぁほら、やっぱり」
「っ!」
ジッとしていたはずのメグくんの手が、わたしの髪に触れた。
驚いてメグくんの髪を撫でていた手が止まったけど、本人は気にした様子もなくクルクルとわたしの髪を弄ぶ。
こういうところが、なんだか恋人っぽくてくすぐったい。
お互いがお互いの髪を撫でるなんて、なんか変な感じ。