君の心が聞こえる。
ただ学校に行って授業を受けるだけのわたしの毎日に、楽しみができた。
「あ、いたいた。おーい、メグくーん!」
朝。
玄関前で待ち伏せをしていると、校門から見えたひとつの団体にわたしは全力で手を振った。
女の子4人を侍らせて歩く金髪……じゃなくてアッシュゴールドの男の子。
わたしの声に「げ」と明らかに顔をしかめたけれど、そんなの想定内だ。
「おはよう。今日もモテモテなようでなによりだね」
「今日もセンパイは変人貫いてるね」
「うん、ありがとう」
「褒めてないんだけど」
ニコリと笑うわたしにメグくんは安定の呆れ顔。
あー、面白い。
「ちょっと恵くん、なにこの人?」
「あー、気にしなくていいよ。ただの変人だから」
「え〜、なにそれ〜っ」
メグくんを取り囲む女の子たちは、わたしを見てクスクス笑う。