君の心が聞こえる。
メグくんが言ってくれたんだ。
『大丈夫。センパイの良さを分かってくれる人は必ずいるよ。その時だよ、センパイが本当に頑張るべきなのは』
少しはわたしも変われているんだろうか。
「……さっちゃん、行ってくるね」
「うん。優ちゃん、頑張って」
小学校の楽しかったあのときみたいに、なれるかな。なりたいな。
教室に戻って教材を手に取ったわたしは、実験室へと向かった。
言おう。一言でもいいから、絶対に。
教えてくれてありがとう、って。
メグくんがいて、さっちゃんがいて、わたしの窮屈だった世界が少しずつ広がり始めてる。
ドキドキするけど、それと同時に私の心は不思議とわくわくしていた。