君の心が聞こえる。
周りから密かに視線を集めてしまうこの状況でも、メグくんはわたしの目を見ていつも通りに笑ってくれる。
こういう、自然な恋人っぽいことにもだいぶできるようになった。
昼休みは一緒に保健室でお昼を食べて、放課後は一緒に帰る。
いまだにわたしとメグくんが付き合ったことに言ってくる人もいるけど、わたしもメグくんも案外さっぱりしている所があって「言わせておけばいいよ」の精神を貫いていた。
それでも、最近少し思ってしまうのがひとつ。
"あんなの私の知ってる恵じゃない……!"
「………」
「センパイ?」
どこかともなく聞こえたその声に、思わず足を止めた。
甲高い女の子特有の声。たぶんメグくんと同じ1年生。
……そしてたぶん……、メグくんと遊んでいた女の子のひとり。