君の心が聞こえる。


「センパイ、今日時間ある?」

「……え?」

「ある?ない?」

「あ、あるけど……」


食い気味に聞かれた質問に、首を縦に振った。


直後、また手を繋がれて、さっきよりも早いペースでメグくんは歩き出す。

半ば引っ張られてる状態に。



「ちょ、メグくん……!?」


学校を出て、最寄りの駅の方へと向かった。


駅手前のコンビニのある角を右に曲がって、さらにその奥を左。



「……ここって」

更に数メートル歩いた先に現われた青い屋根の家の前で、メグくんはピタリと足を止めた。


「俺の家」

「……だよね」


表札には『千堂』の文字。


まさかメグくんのお家に連れてこられるなんて思ってもみなかったから、呆気に取られてしまった。


「入る?」

「え」

「まぁ、入ってもらうために連れてきたんだけど」


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