君の心が聞こえる。
突然家まで連れてこられた理由もわからなければ、急にメグくんのお家でふたりきり。
さ、さすがにちょっと緊張が……。
「センパイ、こっち」
手招きするメグくんに誘われるまま、奥の部屋へと進んでいく。
「ここが、俺の部屋ね」
その部屋のドアが開くと、ふんわりとわたしの大好きな香りが鼻をくすぐった。
「……メグくんの匂いだ」
「ははっ、入って第一声それ?」
ネイビーのカーテン、カーペット。あとはベッドと机。
必要最低限のものしかないのであろうシンプルすぎる空間。その中に金髪の君が立っているのは、ものすごく違和感があるけれど。
それでも、この香りだけでわたしが安心するのには十分だった。
「家に女の人入れたの、センパイが初めてだよ」
「……え?」
「ていうか、家がどこら辺にあるのかも言ったことない」