君の心が聞こえる。
今日も学校だるいだとか、好きな人と目が合っただとか。そんなどうでもいい他人の情報を聞いたところでなんの得もない。
窮屈でたまらない、わたしの世界。
適当に午前の授業を過ごしたあとは、お昼ご飯を食べにお弁当を持って保健室へ行く。
保健の先生はもうお婆ちゃんだからなのか職員室に入り浸っていて、ほとんどここにいることはない。
みんなそれがわかっているから、怪我や体調不良の子は職員室へ向かう。
つまり、保健室に人が来ることはほとんどない。
学校の中で唯一誰の声も聞こえない、落ち着く空間。
……の、はずだった。メグくんが入学してくるまでは。
「あ、やっぱ来た」
保健室の中に入ると、そこには先にベッドの上でくつろいでいるメグくんの姿があった。
しかも、珍しく1人で。