君の心が聞こえる。


メグくんの腕に包まれて、なんだかいろんなことが幸せで、思わず笑みがこぼれた。


きっと君はまた呆れた顔をしているんだろうけど、仕方ない。


「ねぇメグくん」

「なに?」

「わたしも、君が好きだよ」

「っ!」


大好きな人の胸に顔を埋めて、そう言った。



"……ずりぃのはセンパイの方じゃん。"


思わず漏れたであろうその心の声に、また笑う。


さっきまでのどうしようもないモヤモヤはもうすっかりどこかへ行ってしまった。




***


「ありがとう、メグくん」

「うん?」

「わたしのヤキモチを寛大に受け止めてくれて」


帰り道で、わたしはもう一度メグくんにお礼を言った。


右手にはしっかりと君の左手が繋がっている。


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