君の心が聞こえる。
「わかりやすいね、センパイ」
「え?」
「顔が惚気てる」
「そ、それはどういう……」
「んー?可愛いってこと」
冗談半分、本気半分。
わたしの反応で楽しんでいるであろうメグくんは、クスクスと笑っていた。
あ、うん。ダメ。カッコいい。
こんな状況でそう思うわたしはどうかしてる。
君とこうして付き合ってから、毎日好きの気持ちが増えていくから不思議。
昨日よりも今日、今日よりも明日。
もう、どうしてくれるんだ。わたしばっかりで悔しい。
「メグくん、ズルいからお化け屋敷に連行」
「……は?」
「ちょっとくらい弱点とかないの?」
「うん、話が見えないんだけど?」
おとぼけ顔のメグくんの手を引いて、わたしはちょうど近くにあったお化け屋敷へと向かった。