君の心が聞こえる。
「メグくん、白馬に乗ってたから王子様みたいだったよ」
「……マジで恥ずかった」
「あはは」
こっそり写真を撮ったことは内緒にしておこう。
菊島くんに写真がほしいと言われたけど、これだけはわたしの記念用にする。
「喉乾いた。センパイ、ジュース買いに行こ」
「あ、いいね」
販売所を見つけたわたしたちは、少し休憩をすることになった。
こういうところですらメグくんの容姿は周りの視線を集める。
"あの人カッコいい!"なんて声もいくつか聞こえてきて、少しムッとした。
「センパイ、混んでるから席取って待ってて。俺持ってく」
「わかった。……ね、メグくん」
「うん?」
「女の子に声かけられても、ちゃんと断ってね」
繋いでいた手にキュッと力を込めて、見上げた。