君の心が聞こえる。
中学から女子校に行った彼女とは、あのクリスマス会以降話したことはなかった。
姿を見たのだって、小学校の卒業式が最後。
お化粧をしてすっかり大人びた彼女が、あのリンちゃんだと理解するのに少し間が空いた。
「……久しぶり。小学校以来だね」
どうしても、動悸は早くなっていく。
けど、口は動いた。
少し前までのわたしとは違う。……もう、前の向き方は知っているから。
それに、この状況に緊張しているのはわたしだけじゃない。
「……誰かと一緒?」
「え、あ、うん。彼氏と来てて。……覚えてるかな?村上くん、なんだけど」
「……え」
彼女の口から出たその名前に、思わず固まった。
そのわたしの反応に、リンちゃんは少し困ったように笑う。