君の心が聞こえる。


渡されたジュースを、ありがとうと受け取る。


「あれ、クレープも買ってくれたの?」

「センパイ食べたいって言ってたじゃん」

「えへへっ、ありがとう」


もうひとつ手渡されたいちごのクレープは、とっても美味しそうな匂いがした。



「センパイ、さっき誰かと話してなかった?」


クレープにかじりついたわたしに、メグくんはそう聞いてきた。


あら、見られてたか。



「うん、小学校の友達」


わたしがそう言うと、メグくんは少し驚いた顔をして、でもそのあとすぐにふっと表情を和らげた。



「"だった"って、言わないんだ」

「あ、そういえばそうだね」


優しいその瞳に、わたしも笑う。


すごいなぁ、メグくん。何でもお見通しだね。


君がいるから、わたしは今こんなに心が穏やかなんだよ。

やっぱメグくんパワーっていうんだよね、これ。


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