君の心が聞こえる。
その表情がもうわたしのツボにはまっていることにはきっと気づいてないんだろうな。
生意気で、面白くて、そしてカッコいいプレイボーイくん。
君はわたしのお気に入りなんだよ。知らないでしょ。
君のその姿を見ただけで、さっきまでの嫌な記憶なんてどうでもよくなったような気がしてくるから不思議だ。
「ねぇ、あっちに見晴らしのいいところがあるの。メグくんも行こうよ」
「は?ちょ、おい……っ」
やることも終わってまだ時間がることを確認したわたしは、メグくんの腕を引っ張って歩き出した。
驚いた反応をしつつも、メグくんはちゃんと付いてきてくれる。
そこは、わたしが去年の林間学校で見つけた一番静かな場所。
「おぉ~……、センパイにしちゃ中々良いところ知ってんじゃん」
「でしょう?」
たくさんの木々に囲まれたちょっとしたその広場は、たくさんの山が一望できる。