君の心が聞こえる。
第一印象は、可愛い人だと思った。
けど人は見かけによらないらしく、同じ1年かと思ったらまさかの年上だったその人には、変人の噂があった。
で。本当に変人だった。
何が変かって、もう全部。
一度も肯定しない俺にしつこく死にたい理由なんてことを聞いてくるし、俺に迫られても笑っているし。
見た目はあんなに小さくてふわふわしたような生き物のくせして、俺が年下なのをいいことにとんでもなくガキ扱いしてくるし。
あとは、まぁ、全体的な空気感というか。
とにかく、あの人は俺が今まで出会ってきた人とは全く違う人種だった。
「午後は川釣りだって。恵行こ~?」
「あっ、ずるーい。私も一緒に行きたい!」
「いいよ。じゃあ、みんなで行こうか」
「やったぁ!」
こんなのいつもの光景。いつもの会話。
そのはずなのに、さっきのセンパイの言葉が頭にずっと残って離れない。
『何してもできちゃって、求めるものもなくて。生きる理由が見つからないっていうよりは、生きていてもつまんない、って感じ?』
………正直、的を得すぎていて焦った。
あの時、言葉を一瞬失った。