君の心が聞こえる。
「誰彼構わず遊びまわるプレイボーイくんが極度の死にたがり、なんて、そんなの興味がわかないわけないでしょう?」
「………」
「ねぇ、なんで?」
ズイッと顔の前まで近づいて聞いてみる。
……が、ハッとして一歩後退した。
────あ、やばい。キレられる。
こういう時のわたしの察しの良さはちょっとした自慢だ。
「……と、今日はここまでにしといて。また話そうね、千堂くん」
「はっ?ちょ、」
「ばいばーい」
千堂くんの激おこ3秒前に逃れたわたしは、予鈴が鳴る前に急いで教室へ戻っていった。
あー、やれやれ。危なかった。
ふぅ、と息を整えて教室の扉を開ける。
机に座ると速攻でワイヤレスのイヤホンを耳にはめ込んだ。
スマホから流れる音楽の音量を、耳が壊れない程度に上げていく。