君の心が聞こえる。


昼間のことは何も言わないんだろうか。

正直、触れないでくれていた方が気が楽だけれど。


「メグくん、釣りもできちゃうんだね」

「は?」

「さっき見た。女の子たちにキャーキャー言われながら何匹も釣るところ」

「……またストーカー?」


そう言うと、センパイは「そうとも言うね」とおかしそうに笑った。



うん、違う。わかってる。


センパイはあの時間、全く動くこともなくただずっとあの場にいた。

そのことを把握している俺の方がよっぽどストーカーだ。


「メグくんもお隣どーぞ」


ポンポンと芝生を叩いたその場に、素直に座り込んだ。センパイみたいに寝転がるようなマネはしないけど。


こうして喋ってみると、やっぱり目の前のセンパイと他の場所で見かけるセンパイが同じ人物なことに違和感がある。


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