君の心が聞こえる。
昼食の片づけ時間に同級生らしき人と話してたこの人は、かなり表情が険しかった。
「ねぇセンパイ」
「うん?」
今日、ずっと気になっていたことを聞いてみようと思った。
俺はいつもセンパイに認めもしない気持ちを言い当てられるだけで、俺自身はあなたのことを何も知らない。
「センパイって、学校、嫌い?」
「………」
今日に限らず、ずっと気にはなっていた。
噂を全部鵜呑みにするわけじゃないけど、センパイはかなりこの学校では浮いている。
だからいつ見てもセンパイはひとりで、昼休みは必ず保健室。
「メグくんには、どう見える?」
またセンパイの変な切り返しが始まった。
この人はいつもそうやって適当に誤魔化そうとする。
「嫌いに見える」
「ふぅん、そっか」
ふふっと、おかしそうに笑うあなたの考えていることは、俺にはわからない。