君の心が聞こえる。


何をやったって、出来てしまう。



出来るためにする努力とか、出来た後の達成感なんて何もない。


そしてこんな俺を人は『贅沢だ』と言うんだ。傲慢だと。


やりたいこともない。何をしてもつまらない。

最初はその穴を埋めるように求めてくれる女の子たちと遊んで過ごしたけれど、それでも何も執着できるものはなかった。



だから、死にたいと思った。死んでこのつまらない人生から逃げたいと。


こんなの、誰にも理解されない。理解されたいとも思わない。


かと言ってそう簡単に死ぬ勇気もない俺には、ただただ日々を過ごしていくしかなくて。



「よし。じゃあ、次に死にたくなったときのメグくんに、今からわたしが魔法の呪文を送ろう」

「……は?」


ピン、と人差し指を立てたセンパイは、自信満々に笑って見せた。


あぁ、今日もこの人の変人っぷりは絶好調だ。


その自信はいったいどこから湧いてくるんだろうか。


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