君の心が聞こえる。
昨日のメグくん、少し様子が変に見えたから安心した。
今日はいつも通り。
相変わらずメグくんの心は静かだけれど、なんだか気持ちすっきりしたようにも見える。
幻覚かもしれないけど。
「さすがにサボろうかな」
「え、昨日の川釣りもサボってたのに?」
「あれ、なぜバレてる」
パッと目線を上げると、メグくんはシレッと顔。
まさかの見られていたことに、恥ずかしくもあり、少し嬉しいとも思った。知っててくれたんだなぁ、って。
でもね、メグくん。
基本、わたしは真面目にやる気はないんだよ。
林間学校も単位のため。登山は山荘に向かうため。食器の片づけは……まぁ、これ以上クラスメイトの反感を買わないため?
とにかく、やらなくていい集団行動はやりたくない。
ましてやカヌーなんて、水辺でイヤホン使えないから地獄を見る予感しかしないし。