君の心が聞こえる。

─────
───



小学生の頃の夢を見た。


入学した頃から仲良しだった、さっちゃんと一緒に遊ぶ夢。



「優ちゃん、今月号のマンガもう読んだ?」


小学校4年生の頃のわたしたちは、毎月発売される少女漫画に夢中になっていた。


「それがまだ読めてないの~……」

「あーそっかぁ。じゃあバラード仮面のカッコいいシーンの話はまた今度だねっ」


特にふたり揃ってお気に入りだったのは、いつもヒロインを守ってくれるバラード仮面というヒーローキャラ。



"後半のヒロインを助けるところなんかもう最高に……。"

「ストーップ!さっちゃん、聞こえてる!聞こえちゃってるってば!」

「えっ、ウソごめん!」


さっちゃんは、友達の中で唯一わたしの力を知っている友達だった。


< 86 / 251 >

この作品をシェア

pagetop