君の心が聞こえる。
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小学生の頃の夢を見た。
入学した頃から仲良しだった、さっちゃんと一緒に遊ぶ夢。
「優ちゃん、今月号のマンガもう読んだ?」
小学校4年生の頃のわたしたちは、毎月発売される少女漫画に夢中になっていた。
「それがまだ読めてないの~……」
「あーそっかぁ。じゃあバラード仮面のカッコいいシーンの話はまた今度だねっ」
特にふたり揃ってお気に入りだったのは、いつもヒロインを守ってくれるバラード仮面というヒーローキャラ。
"後半のヒロインを助けるところなんかもう最高に……。"
「ストーップ!さっちゃん、聞こえてる!聞こえちゃってるってば!」
「えっ、ウソごめん!」
さっちゃんは、友達の中で唯一わたしの力を知っている友達だった。