君の心が聞こえる。


混乱してしまったわたしを、さっちゃんはみんなからかばうようにして立ってくれた。


「違う。怖くないよ」とさっちゃんが言ってくれる。



「優ちゃんはみんなの心の声が聞こえるだけだよ。楽しくて、リンちゃんの心の声に思わず返事しちゃっただけなんだよ」


何も言えなくなったわたしを守ろうとしてくれるさっちゃんの言葉に、涙が出そうだった。



……でも、そう現実はうまくいくわけじゃない。



「……何それ。じゃあ今までのあたしたちの心の声も全部聞かれてたってこと?」

「やだ怖いよ。優里ちゃん、なんでそんなことできるの?」


さっきまでの楽しい空気から一変。


笑っていたみんなの冷たい視線が突き刺さって、ギュッと心臓が痛くなった。




なんで。なんで。


さっちゃんは受け入れてくれたのに。



なんでみんな、そんなに怖がるの?

わたし、そんなにいけないことした……?


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