君の心が聞こえる。
「叶いっこないじゃん。だってその人、」
「やっ、やめて……!」
シン……と、部屋いっぱいにさっちゃんの声が響く。
涙をためた彼女の瞳が、ゆらゆらと揺れていた。
ごめん。ごめんね、さっちゃん。
今まで仲良くしてくれて、ありがとう。
「桜ちゃん帰ろ!もうあんなの友達じゃないよ!」
「気味悪い……!桜ちゃんもそう思うでしょ!?」
「え、いや、それは……」
他の女の子たちに腕を引かれて、さっちゃんはわたしから離れていく。
"怖すぎるよ。"
"やだこっち見ないで。近寄らないで。"
数分前まで一緒に楽しく笑っていたはずの友達が、冷たい目でわたしを見た。
いいよ、もう。
もう関わらないから、そんな顔しないでよ。