君の心が聞こえる。
久しぶりにあの日の夢を見てから、数日。
「センパイ、いい加減に諦めたらどう?」
「んもう、しつこい男はモテないよ」
「往生際の悪い女に言われたくないんだけど」
「ほう、言うようになったね」
林間学校の優しかったメグくんから一転して、わたしは彼にしつこく追い回されていた。
「ほら、いいから貸して」
「やだ」
「ねぇ、なんでそんなに頑ななわけ?」
呆れ顔のメグくんにももうすっかり慣れた。
お昼ご飯を食べ終わったわたしは、いつものように保健室のベッドに潜り込む。
なんとなく気分でカーテンで仕切ってみたけど、容赦なくメグくんに侵入された。
「連絡先交換するだけでそんなに拒絶する女いる?」
ギシ、とわたしが使うベッドに腰かけたメグくんが、ジト目でこっちを向てるのがわかる。