高嶺の花と呼ばれた君を僕の腕の中で包みたい
「佐藤さん。私もきちんと経験を積んでちゃんと医師免許ももっていますから、大丈夫ですよ。早期発見でしたし、難しい手術ではありませんが万全を尽くして挑みますので安心なさってください」
「いんや、こんな細っこい体のやつに出来るはずがねぇだろう。ほれみろ、ケツに肉がねぇじゃねぇか」
「やっ……」
ひゅっと喉の奥が鳴る。佐藤は手を伸ばし、大胆に華の尻を揉むように触った。華に対して罵声を放っているくせに、少し顔が緩んでいるところが気持ち悪い。心臓がピキッと凍りつき、ザワザワと身体の細胞がざわめきだす。
キモチワルイ、サワラナイデ。
悪意のこもった接触ほど怖いものは無い。華はすっと身体を引き、佐藤から距離をとった。
「佐藤さん、また来ますからよく考えてくださいね」
震えそになる声を悟られないよう華は喉に力を入れて絞り出した。