高嶺の花と呼ばれた君を僕の腕の中で包みたい
小学生時代の幼馴染の高地尊臣(こうちたかおみ)。小学生時代から美人で一目置かれていた華と唯一仲良くしてくれた幼馴染の男の子だ。同い年なのにしっかりとしていて兄のような存在の尊臣は真っ直ぐで芯の強い漆黒の瞳をしていた。
華は首から下げているチェーンを手繰り寄せ、ペンダント部分を手のひらに乗せる。
ハートが半分に割られたペンダントは小学生の頃に流行ったデザインのペアネックレス。華の持っている半分のペンダントともう片方を持っている尊臣のペンダントを重ねると一つのハートになるらしい。尊臣がアメリカに引っ越す時に華にくれたものだ。最初はなんの形だろう? と不思議に思ったが母に聞くとハートのペアネックレスだということが判明した。渡してくれた時になにか尊臣が言っていたが華は別れが悲しく泣きすぎてうまく聞き取れなかったのだ。
「また会えたらいいな」
唯一の仲の良かった友達に。華はボソリと呟き、ネックレスを服の中にしまった。その瞬間、華の身体が後ろから誰かに抱きしめられた。
「やっぱり、すぐに見つけられた。華」