高嶺の花と呼ばれた君を僕の腕の中で包みたい
ずっと何年も会っていなくてもこの笑顔は間違えるはずがない。凛とした瞳を細めても漆黒がしっかりと華を捉えてくる笑顔に懐かしい気持ちが込み上げてきた。
でも、本当に本人なのだろうか。似てるだけで違う人? それとも――
「尊臣くん、なの?」
震えそうな声を発し、華は白衣を着た男を見る。
「ただいま、華」
ずっと会っていなかった尊臣が急に目の前に現れた事が信じきれず、華は両腕で自分自身を抱きしめた。