溺愛前提、俺様ドクターは純真秘書を捕らえ娶る
その日の終業時刻後。
私はひとり表参道にあるウエディング衣装専門店を訪れていた。
本当は晃汰さんも一緒のはずだったけれど、術後の患者の経過観察のため予定が変更になったのだ。
とりあえず私だけ先に行き、仕事を終え次第、合流するという話になっている。
今のところまだ公にしていない晃汰さんと私の夫婦関係。
でも、この六月に急遽、式を執り行うことで話が進んでいる。
結婚式は両家の親たちが心待ちにしていて、いつ式を挙げるのかと訊かれていた。
晃汰さんも、もともと式は挙げるつもりでいたようで、式場から日どりまではあっという間に決定した。
お互い日々仕事に追われているため、挙式の準備と並行しながら過ごす日々はそれなりに忙しい。
でも、それ以上に充実していて、最近この多忙さが心地よくも感じる。