溺愛前提、俺様ドクターは純真秘書を捕らえ娶る
挙式をすることに対する緊張の他、私には晃汰さんの横にいることに対しての緊張も多く感じていた。
普段から周囲の視線を独り占めしている晃汰さんのとなりに立つのが私だということに、この日ほど緊張を覚えた日はない。
今まで、彼の秘書として仕事の場面でそばにいて、そんな感情を抱くことはまずなかった。
でも、夫婦として、彼の妻としてとなりに立つことは、やはり多大なプレッシャーを感じた。
つり合わないと思う人がどれだけいるのか……自信のない私はそんなことばかり考えていた。
そんな多くの緊張を抱えながらも、挙式は招待客に祝福され終始幸せいっぱいの空気に包まれた。
『おめでとうございます!』の声を数えきれないほどかけてもらい、晃汰さんの妻になることを認めてもらえたような気がして、ホッと安堵に包まれた。
挙式後、職場で広く晃汰さんとの関係が明るみになってから、院内でスタッフにかけられる言葉は祝福のものばかり。
夫婦としても認知され、以前とはまた見られ方も変わったのかもしれない。
『挙式も無事にすんだことだし、次は孫が楽しみだな』
滞りなく挙式を行ったその後、上機嫌の会長からそんな言葉をかけられた。
そうですねと笑顔で頷いたものの、また新たなプレッシャーが生まれた。