溺愛前提、俺様ドクターは純真秘書を捕らえ娶る
お互いの気持ちを伝え合い、本物の夫婦となったあの日からちょうど一週間。
夕食を食べた後、不意に晃汰さんが「そういえば……」と思い出したように口を開いた。
「さっき気付いたんだけど、いつ使ったんだ? 妊娠検査薬」
「えっ!」
急な質問につい変な声が漏れる。
「えっと、あの、ちょうど一週間前の、あの体調悪いと言っていた日にです」
「仕事を休ませた日か」
「はい。お粥を作ってもらったあの午前中に……」
「疑う兆候があったのか?」
「はい。普段、風邪でもないのに気分が優れないとかないですし、少し生理もずれていたので。でも、陰性でしたので、ただの夏バテだったみたいです」
なんとなくきまりが悪く、へへっと笑って「お騒がせしました」とごまかす。
早とちりもいいところだ。
「でも、まだ来てないな、生理は」
昨晩も甘い時間を過ごしたため、私が生理中でないことを晃汰さんは把握している。
「はい。少し遅れてますね」
晃汰さんは無言のままいきなりソファから立ち上がり、検査薬を仕舞ってある収納へと近付いていく。
そこからひとつ中身が残っている検査薬の箱を手に取った。