溺愛前提、俺様ドクターは純真秘書を捕らえ娶る
11、幸せの絶頂で
暑さもやっと和らぎ、秋の気配を感じ始める十月初旬。
日中天気がよければ半袖でも過ごせるけれど、朝晩は長袖の上着があるとちょうどいい。
妊娠検査薬で陽性が出た翌日、晃汰さんの付き添いで水瀬病院内の産婦人科を受診した。
その時点で妊娠五週と診断され、正式に妊娠していることが告げられた。
出産予定日は四月十七日。私は今、妊娠四カ月を迎えたところだ。
妊娠がわかってすぐ、晃汰さんは安定期に入るまで仕事は休職した方がいいと提案してくれた。
万が一のことがあってはいけないと、かなり用心して自宅でゆっくり過ごしてほしいとお願いされたのだ。
診断が下りてから急に悪阻の症状が強く現れ、しばらく食事もまともにできない状態が続いた。
気持ちが悪くても、私が食べないことにはお腹の赤ちゃんに栄養がいかないと心配になり、なんとか無理をして食べるように努力してみた。けれど、結局戻してしまうことも何度かあった。
悪阻がひどい場合には、一度に通常の食事量を摂ろうとはせず、少量を何度かに分けて食べれば戻しにくく、栄養も摂りやすいらしい。だから、面倒でも食事の回数を増やすように心がけてなんとか乗り切った。