溺愛前提、俺様ドクターは純真秘書を捕らえ娶る
「そうだけど、待たせたことに変わりはない」
「いいんです。患者さんを見捨ててこっちに来てくれるなんてことがあったら、そっちの方が引いちゃいますよ」
「それに、遅れなければあの縁談相手にだって会わせず済んだ」
「晃汰さん、私は大丈夫です」
「ああ、でも、今後のためにも適切な対処を考える」
また懲りずに千尋に近づくかもしれない。そうなる前に弁護士を通して話をつけようと心に決める。
でもしかし、なんてできた妻なのだろうか。
こういう場面を繰り返してきて、やっぱり千尋と一緒になってよかったと何度も実感している。
職業柄、相手に理解がないと関係を続けていくのは難しいことは、過去に何度も経験し学んでいた。
緊急の事態があれば、連絡をする余裕もなく待ち合わせ場所に向かえない。
それを不満に思い、関係が崩れたことは何度もあった。