溺愛前提、俺様ドクターは純真秘書を捕らえ娶る
「千尋」
名前を口にされて顔を上げると、晃汰さんに唇を奪われる。
触れた唇がちゅっと吸われて、ぴくりと肩が揺れてしまった。
「晃汰さん」
キスだけで胸がきゅっとなる。
思わず晃汰さんの胸元についた手が、ルームウェアをギュッと握りしめていた。
「検診で問題ないと言われたなら、今夜は千尋を抱きたい」
ストレートな申し出に、鼓動が一気に高鳴りを増す。ドッドッと音が体を響くようになる。
妊娠したら、晃汰さんは私に触れてくれなくなるかもしれない。
妻が妊娠すると他の女性に目移りするなんて話も耳に入り、晃汰さんに限ってそんなことはないと信じつつも、不安がまったくないとは言い切れなかった。
妊娠という自分の体の変化にも戸惑う日々で、気持ちも不安定になりやすいからだろう。
いらない心配もする日々だけど、晃汰さんの今の言葉ですべてが吹っ飛んでなくなる。
「抱いて、くれますか……?」