溺愛前提、俺様ドクターは純真秘書を捕らえ娶る
「さすが晃汰さん! 私の考えてること、全部お見通しですね」
ああ、ダメだ。やっぱりかわいすぎる。
院内では節度をもって千尋とも接してきたというのに、愛しすぎて自分を制御しきれなくなる。
急に距離を詰めた俺に千尋の方も驚いたのか、一瞬身を引こうとした腕を掴む。
不意打ちだったからか、頬に触れるだけの口づけをしただけで一気に顔を紅潮させる初々しさは未だに健在。
「晃汰さん!」
怒るような声の調子も、赤い顔で台無しだ。
ここで千尋が働いていた頃には有り得なかったシチュエーションに、自分自身もわずかに鼓動が高鳴っている。
「じゃあ、次の休みに約束な」
「はい。楽しみです」
密室なのをいいことに、もう一度にこりと笑みを浮かべる頬に口づけを落とした。