溺愛前提、俺様ドクターは純真秘書を捕らえ娶る
晃汰さんも普段の落ち着いた口調を忘れてしまったように動揺を隠しきれていない。
言葉なくお互いに手をしっかり握り合い、出産の喜びを分かち合う。
そのうちに、赤ん坊を取り上げた助産師が「はい、失礼しますね」と、白いおくるみに包んだ赤ん坊を私の胸元に連れてきた。
「ママとパパに対面しましょう。はい、どうぞ」
目前に、まだ皮膚が真っ赤の目の開いていない赤ん坊がやってくる。
今の今まで私のお腹の中にいた子が、腕の中にやってきたことにまたぼろぼろと涙が溢れていく。
「会いたかったよ」
涙で震える声で、初めての声をかける。
ちらりと見上げた晃汰さんも、やっと対面できた我が子をジッと優しい眼差しで見つめていた。
「私たちのもとに、生まれてきてくれて、ありがとう……」
小さな頭の小さな額を指先でそっと撫でながら、生まれたての愛しい我が子をしっかり目の裏に焼きつけた。