溺愛前提、俺様ドクターは純真秘書を捕らえ娶る


「何度確認したら信じるんだ? 昨日話を持ち掛けた時からなんら気持ちに変わりはない。だからあのあとすぐ、父に話しに行った」


 今朝、会長が院長と共にやってきたのは、昨日のうちに水瀬院長から話を聞いていたからだと知る。

 急用だと言ってそそくさと帰っていったのは、そのことだったのだろうか……?


「会長からも直々に話されただろう。小野寺と一緒になることを歓迎している」


 会長のことまで出されてしまうと、もうそれ以上の言葉が本当に見つからない。

 私が黙ってしまうと、車内は再び沈黙に包まれた。

 都下にある実家へは、中央自動車道を使って三十分ほどで到着した。


「車は前に停めさせてもらって構わないか」

「あ、はい。一台駐車場が空いているので、そこに入れていただいても」


 住宅街の中にある庭付き一軒家。よくある普通の戸建住宅が私の実家だ。駐車場が二台分あり、そのうちの一台だけ自家用車が停まっている。

 駐車場が空いていることを伝えると、水瀬院長は「それなら駐車場を借りよう」と、バックで車の駐車を始めた。

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