溺愛前提、俺様ドクターは純真秘書を捕らえ娶る
「お互いの結婚をする条件。小野寺は、お父様の会社へ資金援助を求めている」
ちゃんと話が通じていることにホッと胸を撫で下ろす。しっかりと「はい」と頷いた。
「俺は、結婚したのちに後継者をつくることを求めている。シンプルにそういうことだ。なにか異議はあるか」
「いえ。その通りです」
「口約束が心配なら、書面にしても構わない」
誠実な言葉に「それはお任せします」と答える。
「お父様の会社経営については心配いらない。だから、安心して俺の妻になれ」
「はい……。よろしく、お願いします」
お互いに求めるものがあって、それを互いに叶えるための結婚。
再び静寂が訪れた車内で、私はこれから始まる新しい生活に思いを巡らせていた。