溺愛前提、俺様ドクターは純真秘書を捕らえ娶る
高校を卒業後、日本医師会の認定養成機関で一年間講座を受けた。
カリキュラムを修了後、日本医師会医療秘書認定試験に合格。その後、規定の秘書技能科目も取得し、今のこの病院への就職を決めた。
医療秘書一年目の新人の時、ひょんなことから元院長の秘書を務めさせてもらうことになった。
私を教育してくれた先輩が院長の秘書を務めていたのだけど、急遽退職する運びとなったのだ。
新人の私に院長の秘書が務まるのか不安しかなかったけれど、先輩の教えが優秀だったことと、元院長の心が広かったおかげで業務は務まった。
二十二歳で病院に医療秘書として勤め始め、元院長の秘書を務め始めたのが二十四歳の時。
それから二年間、二十六歳の年まで元院長の秘書を務めさせてもらった。
その年に、元院長は院長職を退任。水瀬総合病院横浜病院は後継者である現院長、水瀬晃汰に引き継がれた。
新時代を迎えた水瀬総合病院で、私は引き続き〝院長〟の秘書を務めることになった。