溺愛前提、俺様ドクターは純真秘書を捕らえ娶る
「お邪魔、します」
先に晃汰さんが玄関を上がり、その後ろに続く。白い壁に白木調のフローリング。廊下を進むと奥に開放的なリビングダイニングが現れた。
広さは三十畳ほどはあるのではないだろうか。
ダイニングとリビングを見渡せるキッチンは、広々としている上、多機能で使い勝手がよさそう。
リビングの向こうに望めるのは、横浜みなとみらいの観覧車やその先に広がる海だ。
「いい眺め……」
ダイニングを抜け、リビングのガラス窓まで近付いていく。
なにも聞かずにここまで来てしまったけれど、いったいここは何階なんだろう。景色を見た感覚では相当高い。
「どうだ、気に入ったか」
「あっ、はい。素晴らしい眺望で」
「なんだその堅苦しい感想は」
私のとなりにやってきた晃汰さんは、クスッと笑って同じように窓の外の景色に目を向ける。
「問題がなければ、すぐに生活ができるように諸々手配する。次の休みにでも引っ越してこい」