溺愛前提、俺様ドクターは純真秘書を捕らえ娶る
初めて彼女と対面したのは、三年前の院長就任式の前日。
当時、父の秘書をしていた彼女とはその時初めて顔を合わせた。
それより前の数年間はアメリカに留学していたため、彼女の存在は知らなかったのだ。
父が水瀬系列病院の会長となるタイミングで日本に呼び戻され、横浜の病院の院長に就任が決まった。
父から医療秘書として彼女を紹介され、第一印象は正直、彼女に務まるのかと疑った。
父が目にかけていたことも聞いていたから、変な先入観もあったに違いない。
お飾りの秘書なら必要ない、そう思っていた。
そんな風に始まった彼女との仕事は、初めの印象を見事に覆された。
抜かりのない仕事ぶり、頼まなくても先回りができる能力。その上、女性らしい気遣いも備わっている。
今となっては彼女のサポートに助けられ、自ら頼ることすら多々ある。
信頼しているし、彼女は俺にとってなくてはならない存在となった。