私だけを濡らす雨/ハードバージョン
妹の願い



うふふ…

にゃんか…、面白い展開になってきたって!

このおじさんもいい味出してるし、楽しい

第一、イタハン定、超お久でマジうまかったし


***


さて…、こうとなったらどうしようかな…

あの狂った女の動きもしっか、計算しねーとマジーしね

えーと、とりあえず私にだけ降り続いてる雨だよ、まずはそれってことだわ

よし、ソレ行け!


***


「あのう、おじさん…。いえ、桜木さん、もう”あの時”のことはいいですから。それはそれとして、お願い聞いてくれませんか?」

したら、この人…、「うん、わかった」だって

おお、即オッケーね

なら、ここで一気に畳み込んじゃえ!

「この際、ご縁ですから、共同戦線張りましょうよ」

ハハハ…、目をぱちくりしてるわ、この人

「…要はお姉さんに知られないように手を組んで、君があの家からお姉さんを追い出すように、裁判で誘導して欲しいってことなんだね?」

そうよーん!!(バク笑)


***



「そういうことです。…今の家と土地、両親が死んで、お姉ちゃんの名義なんです。でも、あのイカレた性格なんで、払えるのに税金・公共料金・年金・国保…、全部破ってるんです、請求書。全部…」

「…」

いや、正確には私がね…

イカレたあの女の命令だもん

やるっきゃないっしょ、そりゃ!


***


「…だから、お恥ずかしいんですが、差し押さえ寸前なんです。自宅…。まずは、今回裁判でがっつりふんだくってください。お金は掃いて捨てるほど持ってますから、あの人」

ホント言うと、お金の管理は私が任されてんだよね、実際さ…

お姉ちゃんは好きにやっていいからって、太っ腹ではあるよ

でも、真に受けて1円でもネコババしようもんなら、ぶっ殺されるって

霧澄川に浮かぶって!

バラバラ死体で…

やだよ、あんな澄んでなんかいないきったねー川に浮かぶのなんてさ!


***


「ふう…。こっちが勝訴して、たんまり賠償金を受け取ったとしよう。それでどうするって言うんだい?」

「おいおい、お話しします。いろいろ考えてることはありますから。その都度、相談しながら…。ねっ…」

「はあ…」

ふふ…、今日のとこはこの程度でいいや

次、行ったれ!





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