私だけを濡らす雨/ハードバージョン

第4章/放逐される狂気、内包された邪気

決意①



私の決意は本物だったよ!

もう、やるしかない

今しかないんだってば!


***


”その日”、お姉ちゃんが帰ってきたのは夜7時だった

両手には景品をいっぱい手にしてた

どうやら一日中、パチンコだかスロットルだかをやってたらしいや

でも、機嫌はよかったのでほっとしたけど…


***


で…、お姉ちゃん、裸足じゃないんだけど…

そしたら…

夕食時、お姉ちゃんがおもむろにこう言い出した

「…裸足、やめたわ。ガラス踏んじゃったらさ、ツグミを殺さなきゃならないし…。さすがにかわいい妹は手に掛けたくないしな、私もさ」

まあ、ありがたいお言葉ではあるが…

まるでギャングの口っぷりでしょ

これって…!


***


「ツグミ…、お前は私のことを誰よりも理解してるだろうから言うが、今のお姉ちゃん、カッとなったら人…、殺しちゃうわ。この前、犬殺ったら凄い快感だった。今度は機会があったら人間を殺りたくなったよ。本格的に…」

「…」

ついに出たかって感じだった‼

でも、いきなりなんで、言葉なんか出なかったよ

「…そうはいってもねー、いくら私でもモチベーションが十分じゃないとね。下手したら死刑だもん。それなりに納得したシチュレーションは必要だわな」

何て理論だてなんだ‼

必要に迫られた?訳でもない殺人に、モチベーションもシュチエーションもあるのかっての‼


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