私だけを濡らす雨/ハードバージョン
決意③



「どうなんだ?」

「…疑ってた。ずっと…」

言ってしまった…


***

さあ…!

果たしてお姉ちゃんの口から出る返答はどうなんだ⁉

しばらくの間をおいて、お姉ちゃんはやや目を細めて口を開いた…

「…違うよ。私はどっちも殺してない。パパは事故、ママは自殺。これは間違いないんだ。ただね…」

”ただ…”は気になったが、とりあえずお姉ちゃん自身の口から”殺してない”の一言が出たのは単純に安心した‼

そして嬉しくて、感謝した 

お姉ちゃんに…

何か変な感覚ではあるけど…


***


「ただ…、なあに、お姉ちゃん…?」

「殺したいとは思ってた。後からのパパの方は殺すつもりまで行ってたな」

「!!!」

「私が子供の時分でも怒られた時は、”殺してやる!”って気持ちが燃え上がってたんだよ。凄い勢いで。とはいっても、子供んときはその手段も持ち合わせてなかったし、体力も親にはかなわないから、実行できなかった。まあ、そんなとこだ」

「大人になってたら、やってたってこと?」

「やってた可能性は高かった。そうとしか言えないよ」

「わかった…」

凄いショックだったし、まともな人間の会話じゃないが、何しろ冷静にお姉ちゃんが話してくれてるのに、妙にほっとしたのも事実だったよ


***


「さて…、もうひとつだ。中2になったお前なら、なんでお姉ちゃんがこんなに人の恨みを買って裁判抱えてるのか、わかってるんじゃないのか?」

「言ってもいいの?」

「言ってみな」

「怒らない?」

「ああ、絶対に怒らない?」

私は決心して、心に思うままを話すことにしたんだ…






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