私だけを濡らす雨/ハードバージョン
決意④



「裁判相手を挑発して、お姉ちゃんは自分を殺そうするまでの相手を待っている…。そして、お姉ちゃんはその向かってくる相手をぶっ殺すっと…。私はそう思っているんだけど…」

「ハハハ…。ビンゴじゃん、ツグミ。さすが、”狂ったワタシの”妹だわ」

お姉ちゃん、ここでも意味ありげだったよ

ならさ、血を湧けた実の姉妹でも、もう私達、心理戦だよ

「…お姉ちゃん、私もひとつ聞きたいんだけど」

「いいよ」

「私のこと、本当にかわいいと思ってくれてるの?そうだとすれば…、なぜ?」

「お前はイカレたお姉ちゃんと、ずっと一緒に居てくれたからだ。血が繋がってるってことは、そんなに関係ないんだ、私には。お前じゃなかったら、一緒に住んでても私が最初にぶっ殺す相手になってたと思うよ」

こんなイカレた説明、お姉ちゃんは大真面目でしてくれてたよ


***


「…いいか、ツグミ。今私が言ったこと、もう2度は言わないぞ。お前はお姉ちゃんのことを、私がお前のこと知ってるよりも、よく知ってるんだろうよ。ならさ、”それ”でちゃんと判断しな」

「お姉ちゃん…」

「正直、もう裁判ネタを故意に起こす気はない。今回が最後だ。今その意味を、よく考えるんだ」

「それならもうひとつ聞く。…今回の相手が最後なら、その人にはお姉ちゃんが選ぶ理由があったんだね」

「そうだよ。桜木正樹っていうターゲットのことは事前に調べがついていて、以前からマークしてた。理解できたみたいだな、ツグミ…」

お姉ちゃんは平静だったが、鋭い目つきしてたよ

ここでお姉ちゃんとの、最初で最後の本音の話し合いは終わった


***


ああ…、もう完全に確信犯だって‼

お姉ちゃんが目をつけてたの…

正樹さんじゃなくて、桜木ケンだったんだ‼



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