私だけを濡らす雨/ハードバージョン
ゴーモン・メイク・ラブ❷
「始まるぞ!板垣…」
「ああ…。だがよう、なんだよ、アレ!まるでイタリアンマフィア伝来の死の接吻じゃねえか⁉…」
「あの女、もしかして、本気であの坊主に惚れてるのかも…」
「なら、藤森…、氷子さんはあの中学生を…⁉」
「最悪、ここでぶっ殺されるかもしれない…。あのイカレた女が愛するということは、究極の行為に行き着くんだろうからな」
「おい、じゃあ、オレ達はその前にトンズラしねえとヤバいだろ!」
「いいか、あの女から逃げても無駄だって。ここまできたら、彼女の召すがままで付合ってやらねえと…。最後までこっちが”全う”さえすれば、たぶん、コトが終結ってとこでオレ達は”解放”される。これは勝股さんの見解でもあるしな。それに、それなりの言質は先程こっちへ示してるだろう?」
「うむ…、あの人はむしろ自分の巻き添えとか、そんなセコイ考えはハナから眼中にないか。ふう…、ここは腹を括って付きの約束を貫徹するってとこだな…。正直、気が重いが…」
氷子から7,8M距離を置いた二人のヒソヒソ話は何とか合意に達したようだった…。
***
一方の郡氷子は、そんな二人の用心棒など眼中になし…、ってことで!
愛しのケンちゃんへ馬乗り態勢からのヒアリングが始まっていた…。
「いいか、ケン。ひとつひとつ聞くぞ。言葉がでなきゃ、イエスは縦、ノーは横に首を振れ。ノーコメントなら、両の瞼で瞬きをゆっくりと2回だ。なら…、まずはお前と妹の仲だよ。アイツが自宅にこもった際、学校が言ってた、ツグミの体をいたずらしたっての、お前だな?」
ケンは少し間をおいてから、ゆっくりと瞬きを2回繰り返した。
彼からのリターンを受けた氷子はほんのわずかであるが、眉間にしわを寄せ、一瞬表情を険しくした。
「…じゃあ、私の見立てを言うぞ。それ、二人の申し合せで狂言だろ?ツグミは不登校の原因がイカレた姉のせいではなく、他に要因もあると臭わせるメッセージを学校に発する必要性を持っていた。で、お前が私から丸坊主の刑を受けた事後処理の口利きを交換条件として、ツグミの持ちかけたつくり話に同意した。要は、お前がツグミに性的ないたずらをしたらしいかも~~ってラインの対学校側への植え込みに、お前がヤツの立場を理解し、協力したと!…その際、アイツは自分がイカれた姉に殺されるかもって告白したと私は読んでる。つまり、ケンは郡ツグミに性的いたずらなど一切していない。そうだな?」
またもケンはノーコメントの意思を表示した。
今度は即座に…。
「…」
ここで一気に氷子は顔つきが一変する。
***
「ケン…。お前、妹との約束ってことでのノーコメントなのか?」
ケンは一貫して、郡氷子の顔から眼をそらさずにいた。
そして彼は、ここでも彼女にじっと目線を向けて瞼の2度閉じとした。
「…わかった。その返答でいいわ。だが、次は答えてもらうぞ。お前、ツグミがセックスしてって迫ってきたとしたら、それ、きっぱり拒否するか?」
ケンの体に跨っている氷子は、彼の返事を待った。
ここでは10秒ほど沈黙があった。
そのあと…、ケンは唇を震わせながら、何やらしゃべり出すのだった。
***
「おい!あの中坊、言葉で答えるようだ…」
「ああ。だが、返答次第ではここで氷子さん、キレるぞ」
「藤森…‼なら、あの子ヤバイだろう⁉」
「ふう…、あの桜木ってガキ、適当に繕うって処世、できないタチらしいな。もっともそれを察してるから、氷子さんはあのガキを選んだのかも…」
「…」
この時、二人は同じ予期が頭をよぎった。
”恐ろしい展開は避けられそうにない…”、と…。
「始まるぞ!板垣…」
「ああ…。だがよう、なんだよ、アレ!まるでイタリアンマフィア伝来の死の接吻じゃねえか⁉…」
「あの女、もしかして、本気であの坊主に惚れてるのかも…」
「なら、藤森…、氷子さんはあの中学生を…⁉」
「最悪、ここでぶっ殺されるかもしれない…。あのイカレた女が愛するということは、究極の行為に行き着くんだろうからな」
「おい、じゃあ、オレ達はその前にトンズラしねえとヤバいだろ!」
「いいか、あの女から逃げても無駄だって。ここまできたら、彼女の召すがままで付合ってやらねえと…。最後までこっちが”全う”さえすれば、たぶん、コトが終結ってとこでオレ達は”解放”される。これは勝股さんの見解でもあるしな。それに、それなりの言質は先程こっちへ示してるだろう?」
「うむ…、あの人はむしろ自分の巻き添えとか、そんなセコイ考えはハナから眼中にないか。ふう…、ここは腹を括って付きの約束を貫徹するってとこだな…。正直、気が重いが…」
氷子から7,8M距離を置いた二人のヒソヒソ話は何とか合意に達したようだった…。
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一方の郡氷子は、そんな二人の用心棒など眼中になし…、ってことで!
愛しのケンちゃんへ馬乗り態勢からのヒアリングが始まっていた…。
「いいか、ケン。ひとつひとつ聞くぞ。言葉がでなきゃ、イエスは縦、ノーは横に首を振れ。ノーコメントなら、両の瞼で瞬きをゆっくりと2回だ。なら…、まずはお前と妹の仲だよ。アイツが自宅にこもった際、学校が言ってた、ツグミの体をいたずらしたっての、お前だな?」
ケンは少し間をおいてから、ゆっくりと瞬きを2回繰り返した。
彼からのリターンを受けた氷子はほんのわずかであるが、眉間にしわを寄せ、一瞬表情を険しくした。
「…じゃあ、私の見立てを言うぞ。それ、二人の申し合せで狂言だろ?ツグミは不登校の原因がイカレた姉のせいではなく、他に要因もあると臭わせるメッセージを学校に発する必要性を持っていた。で、お前が私から丸坊主の刑を受けた事後処理の口利きを交換条件として、ツグミの持ちかけたつくり話に同意した。要は、お前がツグミに性的ないたずらをしたらしいかも~~ってラインの対学校側への植え込みに、お前がヤツの立場を理解し、協力したと!…その際、アイツは自分がイカれた姉に殺されるかもって告白したと私は読んでる。つまり、ケンは郡ツグミに性的いたずらなど一切していない。そうだな?」
またもケンはノーコメントの意思を表示した。
今度は即座に…。
「…」
ここで一気に氷子は顔つきが一変する。
***
「ケン…。お前、妹との約束ってことでのノーコメントなのか?」
ケンは一貫して、郡氷子の顔から眼をそらさずにいた。
そして彼は、ここでも彼女にじっと目線を向けて瞼の2度閉じとした。
「…わかった。その返答でいいわ。だが、次は答えてもらうぞ。お前、ツグミがセックスしてって迫ってきたとしたら、それ、きっぱり拒否するか?」
ケンの体に跨っている氷子は、彼の返事を待った。
ここでは10秒ほど沈黙があった。
そのあと…、ケンは唇を震わせながら、何やらしゃべり出すのだった。
***
「おい!あの中坊、言葉で答えるようだ…」
「ああ。だが、返答次第ではここで氷子さん、キレるぞ」
「藤森…‼なら、あの子ヤバイだろう⁉」
「ふう…、あの桜木ってガキ、適当に繕うって処世、できないタチらしいな。もっともそれを察してるから、氷子さんはあのガキを選んだのかも…」
「…」
この時、二人は同じ予期が頭をよぎった。
”恐ろしい展開は避けられそうにない…”、と…。