花嫁は婚約者X(エックス)の顔を知らない
【番外編】修学旅行
『ご搭乗の皆様にご案内いたします。当機はまもなく離陸いたします。今一度シートベルトのご確認をお願い致します。』
日本語の案内の後、英語でのアナウンスが続く。
飛行機に乗るのは初めてでは無いが、行き先が海外という事と、そしてこの広々としたファーストクラスの座席に緊張を隠せないでいた。
名前順で決められていた座席だったが、何故か隣に当然のように真宮くんが座ってる。
「そこの席って、古賀くんじゃなかった??」
シートベルトを調節しながら真宮くんは
「あぁ、俺の窓側の席と替わってやった。景色がよく見るって喜んでる。」
と、しれっと答えながら口角を上げた。
はぁ、…そうゆうことね。
「お前の隣に俺以外の男が座るのが耐えられない。」
やっぱり。
そんな事だろうと思った…。
好きだと想いを伝えたあの日から、私に対する彼の執着は今までの何倍にもなった。自分が仕事の日には会社に連れて行こうとするし、こないだは学校があるのにアメリカまで連れて行こうとしていた。私のパスポートの発行日より前だったので結果的にアメリカへ行かずに済んだが、彼のペースで学校を休んでいたら凡人の私は留年してしまう…。
そして、私は大好きな人に思われて幸せだが、よく思わない人もいるはずだ。
現に古賀くんなんて無理やり席を変えられている。振り回される方はたまらないだろう。
離陸後、機体が安定したのかシートベルト着用のランプが通知音と共に消えた。
「琴乃、おいで。一緒に映画を観るぞ。」
手招きをした後、膝を2回叩き両手を広げた。
「膝に座れってこと!?」
驚く私にニッコリ微笑む。
「早くおいで、映画が始まるよ。」
「…こっちの席で観るよ。」
「琴乃…。俺のことを嫌いになったか?」
「好きとか嫌いとかじゃなくて普通は公共の乗り物でしないでしょ…。」
「だからチャーター機が良かったんだ…。」
珍しく口を尖らせて拗ねていた。
移動時間をゆったり過ごせるよう、飛行機をチャーターして行こうとしていたので、皆んなで楽しく賑やかに飛行機に乗るのも修学旅行の思い出なんだよ。思い出の1つを私から奪うのか!と説得してやっと納得してくれたのだった。
「修学旅行の思い出とやら俺も欲しいんだけど。」
席にいながらじーっと見つめてくる。
真剣に見つめられると目を逸らすことができない。顔立ちの良さもありドキドキしてしまう。
「…考えておく。」
小さな声で返事をし顔が赤くなるのを隠すためイヤホンをして映画のオープニングが流れ始めたモニターの方に顔を向けた。
クスリとニヤける顔が視界の隅に入ったのできっと彼には聞こえていたと思う。
日本語の案内の後、英語でのアナウンスが続く。
飛行機に乗るのは初めてでは無いが、行き先が海外という事と、そしてこの広々としたファーストクラスの座席に緊張を隠せないでいた。
名前順で決められていた座席だったが、何故か隣に当然のように真宮くんが座ってる。
「そこの席って、古賀くんじゃなかった??」
シートベルトを調節しながら真宮くんは
「あぁ、俺の窓側の席と替わってやった。景色がよく見るって喜んでる。」
と、しれっと答えながら口角を上げた。
はぁ、…そうゆうことね。
「お前の隣に俺以外の男が座るのが耐えられない。」
やっぱり。
そんな事だろうと思った…。
好きだと想いを伝えたあの日から、私に対する彼の執着は今までの何倍にもなった。自分が仕事の日には会社に連れて行こうとするし、こないだは学校があるのにアメリカまで連れて行こうとしていた。私のパスポートの発行日より前だったので結果的にアメリカへ行かずに済んだが、彼のペースで学校を休んでいたら凡人の私は留年してしまう…。
そして、私は大好きな人に思われて幸せだが、よく思わない人もいるはずだ。
現に古賀くんなんて無理やり席を変えられている。振り回される方はたまらないだろう。
離陸後、機体が安定したのかシートベルト着用のランプが通知音と共に消えた。
「琴乃、おいで。一緒に映画を観るぞ。」
手招きをした後、膝を2回叩き両手を広げた。
「膝に座れってこと!?」
驚く私にニッコリ微笑む。
「早くおいで、映画が始まるよ。」
「…こっちの席で観るよ。」
「琴乃…。俺のことを嫌いになったか?」
「好きとか嫌いとかじゃなくて普通は公共の乗り物でしないでしょ…。」
「だからチャーター機が良かったんだ…。」
珍しく口を尖らせて拗ねていた。
移動時間をゆったり過ごせるよう、飛行機をチャーターして行こうとしていたので、皆んなで楽しく賑やかに飛行機に乗るのも修学旅行の思い出なんだよ。思い出の1つを私から奪うのか!と説得してやっと納得してくれたのだった。
「修学旅行の思い出とやら俺も欲しいんだけど。」
席にいながらじーっと見つめてくる。
真剣に見つめられると目を逸らすことができない。顔立ちの良さもありドキドキしてしまう。
「…考えておく。」
小さな声で返事をし顔が赤くなるのを隠すためイヤホンをして映画のオープニングが流れ始めたモニターの方に顔を向けた。
クスリとニヤける顔が視界の隅に入ったのできっと彼には聞こえていたと思う。