花嫁は婚約者X(エックス)の顔を知らない
「そのようですわ。まったく失礼な男ですこと。」
入寮した日に咲良さんが私に届いた贈り物の時計から推理した婚約者の老人説や中年ハゲデブ説を話すと柳くんは大笑いしていた。
「咲良、お前さすがに琴乃ちゃんの婚約者が老人ってのはないだろ。もしくはハゲデブって…。」
「何も情報が無いんですもの。そう考えるのも仕方ないでわ。」
ツボに入ったのか柳くんは笑い続ける。
「…ぁあ、ちなみに咲良とも幼馴染なんだ。俺の親と晴翔の親が良くて、彼女の実家の料亭に通ってたんだ。そんで子どもだった俺たちはよく一緒に遊あそんでた。」
「そうなんですの。琴乃さん、柳くんに嫌なことをされたら遠慮せずに私に直ぐにおっしゃってくださいね。」
「それにしてもハゲデブって…。咲良、お前こそ彼女の婚約者に怒られるぞ。」
「正体を隠している方が悪いんです。」
咲良さんは強気な感じで言った。確かに正体を隠されてしまっているのだから、どんな人か想像するのはこちらの自由だった。
入寮した日に咲良さんが私に届いた贈り物の時計から推理した婚約者の老人説や中年ハゲデブ説を話すと柳くんは大笑いしていた。
「咲良、お前さすがに琴乃ちゃんの婚約者が老人ってのはないだろ。もしくはハゲデブって…。」
「何も情報が無いんですもの。そう考えるのも仕方ないでわ。」
ツボに入ったのか柳くんは笑い続ける。
「…ぁあ、ちなみに咲良とも幼馴染なんだ。俺の親と晴翔の親が良くて、彼女の実家の料亭に通ってたんだ。そんで子どもだった俺たちはよく一緒に遊あそんでた。」
「そうなんですの。琴乃さん、柳くんに嫌なことをされたら遠慮せずに私に直ぐにおっしゃってくださいね。」
「それにしてもハゲデブって…。咲良、お前こそ彼女の婚約者に怒られるぞ。」
「正体を隠している方が悪いんです。」
咲良さんは強気な感じで言った。確かに正体を隠されてしまっているのだから、どんな人か想像するのはこちらの自由だった。