花嫁は婚約者X（エックス）の顔を知らない

新しく始まった生活

お父さんから衝撃的な話を聞いてから１週間。
最低限必要な荷物をまとめ、学校側から連絡があった寮の住所へと送った。

新しい制服の採寸にも行ったが制服の完成には１か月はかかるようで、しばらくは今の学校の制服で登校することになった。

編入先の学校への準備が終わり、明日から聖麗学園に投稿するためにお父さんに寮まで車で送ってもらった。

寮は２人一組の同部屋になっているそうだ。
相手の女の子は私と同じ２年生だと聞いた。

　仲良くなれると良いんだけど。

初めての寮生活に緊張と期待を胸に乗り込んでいく。

「こんにちは。」

「あら、ようこそ。聖麗学園女子寮白百合館へ！あなたが内田 琴乃(うちだ ことの)さんね？」

寮母さんなのか少し恰幅の良いおばさんが玄関入口の受付のような窓から顔をだす。
寮の受付というよりはホテルのレセプションの様だった。

　さすが聖麗学園。寮も立派なんだ…。

「内田 琴乃です。よろしくお願いします。」

「こちらこそよろしくね。先日送ってもらった荷物はすでに部屋へ運んであるわ。」

と言われ部屋へ案内された。