花嫁は婚約者X(エックス)の顔を知らない
寮母さんは太田さんというそうだ。エレベーターで3階へ上がり、302号室へ案内された。
太田さんが扉をノックすると可愛い声で『どうぞ』と返事があった。ドアを開けると、女の子が一人くつろいでいた。
くつろぐと言ってもベッドに寝っ転がるわけでなく、エレガントなデザインだが華美ではないシンプルなソファに座り、読書をしていたようだった。
そして、ソファの前にある白いカフェテーブルには二段のケーキスタンドが置いてあり、おそろいのデザインのティーセットが隣に置かれていた。
「こんにちは、咲良さん。こちら、今日からあなたのルームメイトになる内田琴乃さん。琴乃さん、こちらは綾小路咲良さん。」
太田さんに紹介され挨拶をした。
あぁ…。苗字からしてお嬢様っぽい。平民の私がこの寮でやっていけるのか??
ケーキスタンドなんて初めて見た…。
色素が薄く細くて長い髪はフワッとやわらい印象だが、逆にクッキリとした目鼻立ちは強い印象を持たせた。
寮母の太田さんはルームメイトの紹介が済むと夕食の時間だけ伝えさっさと出て行ってしまった。
「琴乃さん、先ほど、あなた宛てに届け物がありましたわ。」
「え?私宛に?」
「えぇ、あなた宛てよ。あなたの机の上に置いておいたわ!花瓶は太田さんに言えば持ってきてくれるわよ。」
「受け取ってくれたみたいでありがとう。」
届け物?…花瓶?…なんだろう??
咲良さんに言われた机を見てみると、小さなブーケとラッピングされた箱が置いてあった。
ブーケには小さなメッセージカードがついており、『編入おめでとう。これからよろしく。君の婚約者より』と書かれていた。
あ…。私がしたお願いをちゃんと聞いてくれたんだ…。
太田さんが扉をノックすると可愛い声で『どうぞ』と返事があった。ドアを開けると、女の子が一人くつろいでいた。
くつろぐと言ってもベッドに寝っ転がるわけでなく、エレガントなデザインだが華美ではないシンプルなソファに座り、読書をしていたようだった。
そして、ソファの前にある白いカフェテーブルには二段のケーキスタンドが置いてあり、おそろいのデザインのティーセットが隣に置かれていた。
「こんにちは、咲良さん。こちら、今日からあなたのルームメイトになる内田琴乃さん。琴乃さん、こちらは綾小路咲良さん。」
太田さんに紹介され挨拶をした。
あぁ…。苗字からしてお嬢様っぽい。平民の私がこの寮でやっていけるのか??
ケーキスタンドなんて初めて見た…。
色素が薄く細くて長い髪はフワッとやわらい印象だが、逆にクッキリとした目鼻立ちは強い印象を持たせた。
寮母の太田さんはルームメイトの紹介が済むと夕食の時間だけ伝えさっさと出て行ってしまった。
「琴乃さん、先ほど、あなた宛てに届け物がありましたわ。」
「え?私宛に?」
「えぇ、あなた宛てよ。あなたの机の上に置いておいたわ!花瓶は太田さんに言えば持ってきてくれるわよ。」
「受け取ってくれたみたいでありがとう。」
届け物?…花瓶?…なんだろう??
咲良さんに言われた机を見てみると、小さなブーケとラッピングされた箱が置いてあった。
ブーケには小さなメッセージカードがついており、『編入おめでとう。これからよろしく。君の婚約者より』と書かれていた。
あ…。私がしたお願いをちゃんと聞いてくれたんだ…。