花嫁は婚約者X(エックス)の顔を知らない
しばらく柳くんと順路を進んでいると古賀くんもよってきた。

「見て!琴乃が楽しみにしてたペンギンいるよっ!」

「ほんとだ!柳くんも行こ!」

「あ、僕は咲良達を待ってから行くよ。」

「じゃあ、ペンギンのところに行ってるね!」

古賀くんと二人でペンギンの展示場所へ向い、ペンギンの水中エリアを見るために一段下がっている場所でペンギンを見ていた。

「琴乃は何でペンギン好きなの?」

「あの短い足でよちよち歩く姿かなぁ?」

「ペンギンの足は短くねーぞ?」

上から声が聞こえたのでそちらを向いた。

「真宮くん、電話終わったんだ!一緒にペンギン見ようよ!」

「ペンギンの足のほとんどが体内に隠れてるだけで、決して足は短くないんだ。」

「へぇ~さすが真宮!」

「人間でいうと常にしゃがんだ状態。」

「知らなかった!意外と真宮くん物知りだね!」

「『意外』ってなんだよっ?誰のおかげで今回のテストクリアできたんだぁ~?」

「すみません、真宮先生のおかげでございます。」

さっきまで仕事の電話が引っ切り無しだったが、こんな風に笑い合っていると、やっぱり真宮くんも普通の高校生なんだなーと思う。

「ねぇ、そろそろイルカショーじゃない?」

チラッと腕時計をのぞくとショーの15分前だった。移動の時間と席とりの時間を考えると丁度良い時間。

「そうだね。柳たちどこだろ?」

「さっきまで近くにいたんだけどなぁ。ショーは3階のメインプールって書いてあったから先に行くって連絡しておくか。」

近くに咲良さんたちが見つからなので先にイルカショーが行われるプールへと向かった。
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