花嫁は婚約者X(エックス)の顔を知らない
真宮くんを祝って騒いでいると、いつの間にかクラスのみんなが祝ってくれていた。元々仲の良いクラスだと思っていたが、文化祭以降より仲が良くなった気がする。
塚田さんについてはクラスのみんなに『流石にあれはやり過ぎだ。』と注意され、真宮くんに絡んでくることは無くなっており、後日改めて塚田さんから真宮くんに謝罪があったと真宮くん自身に教えてもらった。クラスメイトに囲まれ埋もれている真宮くんを見ると顔を赤らめていたので、てっきりこんなに大勢からお祝いされて恥ずかしがっているのだと思っていた。
4時間目の体育が終わり、更衣室で着替えを終えてから教室に戻ると柳くんに少し慌てた様子で声をかけられた。
「晴翔が体育の時間に倒れて、今、保健室で寝てる。」
「えっ!何があったんですの?」
「何か、アイツには珍しく学校を休みたくないって言って夜中にアメリカと打ち合わせを詰め込んでたから、寝不足と疲労で弱ってるところに風邪が悪化したみたいだよ。さっき熱測ったら40度超えてたかな?」
「わたくし、保健委員なので行って参ります!」
体育で使ったジャージと靴を教室のロッカーにしまうと深雪さんは保健室へと向かった。
「琴乃ちゃん、ちょっと荷物が多いんだけど、晴翔の荷物をまとめて保健室に持っていってくれる?俺、次の古典の東先生に資料を運ぶように言われてて…。」
「うん。わかった。」
机の中にしまわれた教科書とペンケースをからの学生カバンに入れ替え、大量のチョコレートと誕生日プレゼントが詰め込まれた袋を彼のロッカーから出して準備した。
…あっ。そうだ。
朝から渡さずにいた真宮くんへの誕生日プレゼントをこっそり学生カバンに入れた。
以前、古賀くんがミス聖麗学園に選ばれた真宮くんにインタビューしに来た時に誕生日を聞いていたので、チョコレートブラウニーとは別に誕生日プレゼントを用意していた。
俺様悪魔から要求された時に文句を言われない様にするためだ。とは言いながら適当な物を買ったわけではなく、どうせプレゼントするならば…と、きちんと選んだ物だった。
男の子へのプレゼントなんてお父さん以外買ったことが無いので凄く迷ったのだが、2匹のペンギンが星空を眺めているイラストが描かれたスマホケースにした。ペンギンにしたのはただ私が好きだから。という理由だがイラストの星空がクルーズパーティーの夜を思い出させ、これしかないって思いこれに決めたのだった。
チョコレートと誕生日プレゼントは量があるので、かさばって持ち難くはあったけれど、たいして重くは無いので、咲良さんが手伝ってくれようとしたけれども、1人で大丈夫だと断った。
塚田さんについてはクラスのみんなに『流石にあれはやり過ぎだ。』と注意され、真宮くんに絡んでくることは無くなっており、後日改めて塚田さんから真宮くんに謝罪があったと真宮くん自身に教えてもらった。クラスメイトに囲まれ埋もれている真宮くんを見ると顔を赤らめていたので、てっきりこんなに大勢からお祝いされて恥ずかしがっているのだと思っていた。
4時間目の体育が終わり、更衣室で着替えを終えてから教室に戻ると柳くんに少し慌てた様子で声をかけられた。
「晴翔が体育の時間に倒れて、今、保健室で寝てる。」
「えっ!何があったんですの?」
「何か、アイツには珍しく学校を休みたくないって言って夜中にアメリカと打ち合わせを詰め込んでたから、寝不足と疲労で弱ってるところに風邪が悪化したみたいだよ。さっき熱測ったら40度超えてたかな?」
「わたくし、保健委員なので行って参ります!」
体育で使ったジャージと靴を教室のロッカーにしまうと深雪さんは保健室へと向かった。
「琴乃ちゃん、ちょっと荷物が多いんだけど、晴翔の荷物をまとめて保健室に持っていってくれる?俺、次の古典の東先生に資料を運ぶように言われてて…。」
「うん。わかった。」
机の中にしまわれた教科書とペンケースをからの学生カバンに入れ替え、大量のチョコレートと誕生日プレゼントが詰め込まれた袋を彼のロッカーから出して準備した。
…あっ。そうだ。
朝から渡さずにいた真宮くんへの誕生日プレゼントをこっそり学生カバンに入れた。
以前、古賀くんがミス聖麗学園に選ばれた真宮くんにインタビューしに来た時に誕生日を聞いていたので、チョコレートブラウニーとは別に誕生日プレゼントを用意していた。
俺様悪魔から要求された時に文句を言われない様にするためだ。とは言いながら適当な物を買ったわけではなく、どうせプレゼントするならば…と、きちんと選んだ物だった。
男の子へのプレゼントなんてお父さん以外買ったことが無いので凄く迷ったのだが、2匹のペンギンが星空を眺めているイラストが描かれたスマホケースにした。ペンギンにしたのはただ私が好きだから。という理由だがイラストの星空がクルーズパーティーの夜を思い出させ、これしかないって思いこれに決めたのだった。
チョコレートと誕生日プレゼントは量があるので、かさばって持ち難くはあったけれど、たいして重くは無いので、咲良さんが手伝ってくれようとしたけれども、1人で大丈夫だと断った。